こんにちは!
「資産運用で、楽しめる老後を目指す」マネ太郎です。
私は株主投資を始めた頃、
「高配当株を買いたいけど、どの銘柄が良いか分からない」
「買ってすぐに減配したらどうしよう……」
こんな悩みを抱えていました。
2017年から株式投資を始めて9年。
様々な失敗と迷いを経て、
現在は自分の「感覚」ではなく、機械的に採点して失敗を減らす「4つの指標・20点満点」という独自ルールで銘柄選びをしています。
名付けて、マネ太郎流「配当通信簿」です。
私が重視するのは「大きく儲けること」ではありません。
「減配しないこと」、「無配にならないこと」。
老後生活に入っていく私にとって、「失敗は最大のリスク」です。
万が一いくつかの銘柄がつまづいても、資産全体には影響させない「守りの投資」です。
私が実践しているこの評価方法(配当通信簿)が、皆さんの銘柄選びの「ものさし」になれば嬉しいです。
マネ太郎流「配当通信簿」の全体像
銘柄を感覚で選ばず、以下の4項目(各5点)の合計20点で評価しています。
- 配当利回り|今の利回りは十分か
- 増配力|将来の配当は期待できるか
- 財務|不況になっても心配はないか
- 割安感|今、買うべきタイミングか
▼マネ太郎の評価レーダーチャート

| INPEX(1605) | JFE HD(5411) | |
| 配当利回り | 3 | 4 |
| 増配力 | 4 | 2 |
| 財務 | 4 | 3 |
| 割安感 | 3 | 3 |
| 合計 | 14 | 12 |
【前提】足切り(スクリーニング)の3つの条件
評価する土俵に乗せる「最低条件」として、まずは以下の3つでフィルタリング(スクリーニング)します。
- 大型株であること
- 配当利回り3.0%以上(高配当投資としての最低ライン)
- 配当性向50%以下(無理して配当を出していないかチェック)
大型株を選んでいるわけ
定年後の資産を守るために、大きく勝つことより、「大きく負けないこと」を最優先に考えています。
私が大型株にこだわる理由は5つあります。
1.事業の安定性:事業規模が大きく多角化されており、1つの事業が不調でも全体的にはゆらぎにくい。
2.情報の透明性:投資家向け情報(IR)が整備されており、経営の実態を把握(理解)しやすい。
3.株価の安定性:時価総額が大きく取引量も多いため、株価の乱高下が比較的少ない。
4.信頼の実績:長年の実績やブランド力があり、暴落時でも底堅い。
5.監視の目:社会的な影響が大きいため、ガバナンスや監督の目が届きやすい。
配当利回りを3%以上としているわけ
配当利回りとは、株価に対してどれくらいの配当がもらえるかを示しています。
高ければ高いほど魅力的ですが、高すぎる場合は注意が必要です。
スクリーニングとしては、市場平均(約2%)を上回る「3%以上」としています。
配当性向を50%以下としているわけ
配当性向とは、当期純利益のうちどれくらいを配当金として支払っているかの割合です。
配当性向が高いほど株主還元に熱心と言えますが、利益が少しでも落ちると減配のリスクが高まる諸刃の剣です。
また、利益の多くを配当に出してしまうと、設備投資や研究開発など成長投資に回せる資金が減ってしまうおそれもあります。
私は「無理して配当を出していない」、「減配のリスクが少ない」目安を50%としています。
なぜ、「機械的な採点」が必要なのか?
私たちの脳は、合理的な判断より本能的な反応が先に出てしまうため、悲しいことに”投資向き”にできていません。
私の失敗経験
- 焦り:急騰している銘柄を見て「乗り遅れる!」と高値掴みをする。
- 情報の鵜呑み:SNSの盛り上がりの影響され、業績を調べずに飛びつく。
- 損失回避:含み損を確定させたくなくて、ナンピン買いをして傷を広げる。
私も色々な感情に揺さぶられてきました。
こうした「感情による失敗」を避けるために考案したのが、感情を無にして採点する「配当通信簿(20点満点)」です。
【評価①】配当利回り(5点満点)
コンセプト: 「現在の配当率(インカム)」を評価します。
| 配当利回り | 点数 | 備考 |
| 4.5%以上 | 5点 | 市場平均の1.5倍以上 |
| 3.5%〜4.4% | 4点 | 市場平均よりかなり高い |
| 2.5%〜3.4% | 3点 | 市場平均を上回る |
| 1.5%〜2.4% | 2点 | 市場平均並み |
| 1.5%未満 | 1点 | 市場平均を下回る |
解説: なぜ3.5%以上を重視するのか?
私は「3.0%」を最低ライン、「3.5%」を目標ラインとしています。
配当は高いほうが嬉しいですが、あまり高配当を狙いすぎると他の項目(財務など)が犠牲になる可能性があります。
「期待する受取額」、「累進配当による将来の増額」、「減配リスク」などのバランスを考えた結果、この設定に落ち着きました。
【評価②】増配力(5点満点)
コンセプト: 「将来に渡って配当の増額が期待できるか(未来のインカム)」を評価しています。
増配力は、単に「増配しているか」だけでなく、以下の4つのサブ項目を複合的に見て判断します。
【①連続増配年数(実績)】
実績は嘘をつきません。
長く増配を続けている企業は、どんな逆風も乗り越えてきた強い経営基盤と経営者の意志を持っています。
【②配当性向(余力)】
どんな優良企業でも、利益が出にくい年はあります。
そんな時、配当性向が低ければ(余力があれば)、無理なく配当を維持・増配できます。
ここでは、あくまで「余力があるか」を見ています。
【③EPS成長率(重要!)】
EPS(1株あたり純利益)は、配当の「源泉」です。
いくら増配していても、EPSが減っている(タコ足配当の)状態ではいずれ破綻すると思います。
「利益もしっかり成長しているか」、ここを私は重視しています。
【④株主還元方針(意志)】
経営者が「累進配当を導入する」とか、「自社株買いをする」などと明言している企業は、株主価値の向上に対して自信と責任を持っています。
このような企業なら、減配のリスクも低いと判断できます。
【採点の仕組み】
上記のサブ項目を点数化して合算し、最終的に「増配力」としての5段階評価へ換算しています。
| サブ項目の合計点 | 点数 | 備考 |
| 14〜16点 | 5点 | 非の打ち所がない最高レベル。将来の増配に強い期待ができる。 |
| 11〜13点 | 4点 | 非常に優秀。安心して配当成長を期待できる優良株。 |
| 7〜10点 | 3点 | 安定的・合格点。高配当株ポートフォリオの中核となりうる。 |
| 4〜6点 | 2点 | やや物足りない。成長率や余力など、いくつかの点で弱点があり。 |
| 0〜3点 | 1点 | 懸念あり。配当の持続性に明確な懸念がある。 |
【評価③】財務(5点満点)
コンセプト: 企業の「継続性」と「安全性」を評価します。
どんなに高配当でも、倒産してしまえば元も子もありません。
定年後の大切な資金を守るため、以下の3つのサブ項目で「財務の鉄壁さ」を複合的に判断します。
【①自己資本比率】
総資産のうちどれだけを自前の資本で賄っているかを示します。
ここが高い企業は、借金に依存していないため、不況や金利上昇の局面でも耐久力があります。
【②営業キャッシュ・フロー】ここは重要です
営業CFが安定してプラスの企業は、本業でしっかり現金が入ってきています。会計上の利益だけでなく「現金の流れ」をチェックして、実際の稼ぐ力を測ります。
【③ROE(資金効率)】
株主が提供した資本を、経営陣がどれだけ有効に使って利益を生み出しているか(効率性)を測ります。
【採点の仕組み】
上記のサブ項目を点数化して合算、最終的に「財務」としての5段階評価へ換算しています。
| サブ項目の合計点 | 点数 | 備考 |
| 11〜12点 | 5点 | 鉄壁の守り。どんな経済の逆風にも耐えうる信頼できる銘柄。 |
| 9〜10点 | 4点 | 非常に頑丈。安心して大切な資金を預けられる。 |
| 6〜8点 | 3点 | 健全・合格点。「財務的に安心できる」と言える標準的な優良企業。 |
| 3〜5点 | 2点 | やや注意。一部の項目に弱点が見られ、長期的な安定性には少し注意が必要。 |
| 0〜2点 | 1点 | 懸念あり。借金の多さや現金を稼ぐ力の弱さなど、財務基盤に懸念がある。 |
【評価④】割安感(5点満点)
コンセプト: エントリー(購入)の「タイミング」を評価します。
良い銘柄でも、高すぎる値段で買っては意味がありません。
「今がお買い得か?」を冷静に判断するために、以下の3つのサブ項目で「割安感」を複合的に判断します。
【①PBR(株価純資産倍率)】
企業が持つ純資産(解散価値)に対して株価が高いか安いかを示します。
1倍割れは「企業の資産価値より安く買える」可能性を示しています。
【②PERの過去比較】
PERは利益に対する株価の割安度ですが、景気や業績期待で大きく変動します。
だからこそ「その企業の過去の平均と比べてどうか」を見ることが重要です。
【③PERの同業他社比較】
成長性や収益構造が似ている同業種の平均PERと比較することで、より正確に割安度を判断できます。
【採点の仕組み】
上記のサブ項目を点数化して合算、最終的に「割安感」としての5段階評価へ換算しています。
| サブ項目の合計点 | 点数 | コメント |
| 9〜10点 | 5点 | 絶好のバーゲンセール。 株価は極めて割安な水準。 |
| 7〜8点 | 4点 | お買い得。 購入を積極的に検討できるレベル。 |
| 5〜6点 | 3点 | 適正価格。 企業の成長性を評価して投資するならば問題ないレベル。 |
| 3〜4点 | 2点 | やや割高。 強い成長が見込めない限り、買い時としては慎重になりたい。 |
| 0〜2点 | 1点 | 割高。 人気が先行している可能性があり、高値掴みには注意。 |
まとめ:この基準で選ばれた「精鋭銘柄」たち
今回ご紹介した「配当通信簿」で高得点を獲得した銘柄を、当ブログに掲載しています。
マネ太郎の投資スタンスをもっと知る (後日、追加予定)
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本記事では、著者の実体験に基づき保有・購入している銘柄を紹介していますが、特定の銘柄を推奨するものではなく、情報提供を目的としております。
記事で紹介している内容は、執筆時点(2025年12月)の情報です。
個人の経験に基づく内容であり、投資の判断は必ずご自身で行って下さい。
